スポーツ用品製造メーカーのアディダスは今年7月に公告を発表し、10月末に中國唯一の全額出資工場を閉鎖し、來年4月より各OEM工場との契約を終了するとした。同社の主な競合他社のナイキは、2009年の時點で江蘇省太倉市の中國唯一の靴工場を閉鎖している。業界関係者は、「外資系企業の中國進出と撤退は、安価な人件費という重要な要素による影響を受けたものだ」と指摘した。國際在線が伝えた。
これらのコストを重視する外資系企業の撤退により、中國の貿易會社が強いプレッシャーを感じている。受注の減少は資金繰りの悪化や利益減に直接つながり、輸出額の増加を抑制する。中國社會科學院経済研究所の研究員、清華大學中國?世界経済研究センターの袁綱明教授は、「アディダスのような外資系企業の中國撤退は一つのすう勢となる可能性があるが、中國経済にとっては弊害よりも利益の方が多い」と語った。
袁教授は、「このような狀況は増加を続ける見通しで、一つのすう勢である可能性がある。しかし慌てる必要はない。中國経済は労働者の所得増による、人件費高騰の段階に突入している。これは企業や資本家にとっては不利な影響であるが、中國経済全體にとっては良い傾向だ。これにより所得が増加し、消費水準が高まり、労働者の素養が高まることで、経済成長の質が向上する。また中國経済の水準が高まり、人件費が増加するに伴い、経済全體の質および製造業の水準も高まる。中國はすでに低コスト?低品質の方式による生産が行えなくなったため、このような狀況は必然的な変化である。この変化の中國経済に対するプラスの影響は、マイナス影響を上回る」と語った。