世界経済は2014年も非常に緩やかな回復の道を歩んだ。これを背景とし、地域貿易協定が日増しに活発化し、世界貿易の新構造が形成された。
地域貿易協定、交渉を継続
世界貿易機関(WTO)の枠組み外の地域貿易が近年、日増しに拡大している。WTOが申請を受理している地域貿易協定は現在500以上に達しており、うち300以上がすでに発効している。環太平洋戦略的経済連攜協定(TPP)、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)、および東アジア地域包括的経済連攜(RCEP)などの重要な地域貿易協定が交渉を進めている。
11月のAPEC閣僚會議において、各エコノミーはAPECを通じてアジア太平洋自由貿易圏の実現を促すことで合意し、アジア太平洋自由貿易圏の関連問題の共同戦略研究を開始し、全面的かつ系統的にアジア太平洋自由貿易圏の歩みを推進することで一致した。
米國主導のTPP交渉は今年で5年目に入っているが、12の交渉參加國は米國が提案した、年內の最終合意には至っていない。交渉の問題點は、市場進出に集中している。TPP交渉國のうち最大の経済體である米國と日本は、農産物?自動車市場の進出に関する食い違いを解消しておらず、協定の締結を遅らせる重要な原因となっている。
米歐のTTIPは今年中に協定を締結するという日程表を実現しなかった。TTIPは第7回交渉を10月に終え、具體的な案の起草を巡る交渉の段階に入ったが、順調には進んでいない。雙方はサービス業市場の進出、金融の監督管理を交渉に盛り込むかなどの問題を巡り、大きな食い違いを殘している。またEUの人々は関連する投資ルールに大きな懸念を殘しており、これも協定締結を妨げる重要な要素になっている。
自由貿易區戦略を加速する中國
地域自由貿易交渉の展開は、苦境にあえぎ新たな成長の原動力を求めるアジア各國に新たな方針を提供したと分析されている。例えば米國主導のTPPが設定した高いハードルとは異なり、中日韓、ASEAN10カ國、インド、ニュージーランド、オーストラリアが加わるRCEPは、アジア各國の異なる経済発展段階における現狀に即している。
中國が加速中の自由貿易區戦略は、徐々に周辺諸國を立腳點とし、「一帯一路」(シルクロード経済帯、21世紀海上シルクロード)に影響を拡大し、世界を見據える自由貿易區ネットワークを構築しようとしており、「一帯一路」の沿線國?地域と自由貿易區の設置を積極的に模索している。
中國は現在まで、12種類の自由貿易協定を締結しており、20の國と地域と自由貿易を行っている。これにはASEAN、シンガポール、パキスタン、チリ、ペルー、コスタリカ、アイスランド、スイスとの自由貿易協定などが含まれる。
中國は2014年に、韓國、オーストラリアとの自由貿易交渉を完了した。中豪は11月17日に、中豪自由貿易協定の交渉を実質的に完了したと宣言した。その先に開かれた11月のAPEC非公式首脳會議において、中韓は中韓自由貿易區の実質的な交渉の終了を確認した。
韓國、オーストラリアと自由貿易協定の交渉を完了した中國は、交渉中の自由貿易協定が6種類となった(中國と灣岸協力會議、スリランカ、ノルウェーの自由貿易協定、中日韓自由貿易協定、RCEP、中國―ASEAN自由貿易協定「10プラス1」のアップグレード版)。これらの自由貿易協定は、21の國と地區が対象となる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2014年12月30日