<解説>
張永軍(中國國際経済交流センター副総エコノミスト)
「金融リスクの防止をより重要な位置に置く」ことには、中央政府が最近の中國の一部分野における金融リスクの上昇という現象を重視していることが反映されている。一方で、中國は現在では世界2位のエコノミーであり、金融の開放レベルがますます向上している。また一方で、各エコノミー間の影響がますます大きくなっている。米連邦準備制度理事會(FRB)の利上げや英國の國民投票による歐州連合(EU)からの離脫など、世界の主要エコノミーの経済の動きや政策の方向性では不確定要素がますます多くなっており、人民元レートもしばしば影響を受けて動揺している。こうした背景の下で、金融リスクの防止を突出した位置に置くことがとりわけ必要になる。
現在、中國の一部企業は負債率が非常に高く、そのうちいくつかの企業は経済運営で関連する範囲が広く、問題が生じれば容易に他の機関に大きな影響を與えるので、こうしたリスクに対処する決意を固めなければ経済発展の大局にマイナス影響を與えることになる。こうした一部の企業について、私たちは今後、識別して対処する必要がある。潛在力があり希望があるものについては、「社債の株式への転換」や「再編」といった方法を採用する。確実にだめなものについては、破産の道を歩ませる。
(8) 都市?農村エリアがバランスよく発展する
<會議での指摘>超大型都市は都市機能の一部を早急に分散させ、周辺の中小都市の発展を促す必要がある。賃貸住宅市場に関わる立法作業を加速させ、機構化した大規模な賃貸企業の発展を加速させる必要がある。住宅市場の監督管理と整備を強化し、開発、販売、仲介などの行為を規範化する。
これと同時に、引き続き人を中心とする新たなタイプの都市化を著実に推進し、出稼ぎ労働者が出稼ぎ先で市民になることを促進する必要がある。西部開発、東北振興、中部勃興、東部率先の地域発展総合戦略を深いレベルで実施し、引き続き北京?天津?河北の協同発展、長江経済ベルトの発展、「一帯一路」(the belt and road)建設の3大戦略を実施する必要がある。