大手國有企業を中心とした中國の調達団や投資団がさきに歐州を相継いで訪問している頃、民間企業の間では対日投資熱が靜かに高まっていた。全國政治協商會議の委員と博鼇(ボアオ)アジアフォーラムの副理事長を務める新中日友好21世紀委員會の蔣暁松秘書長(事務局長)の話によると、現在、中國の民間企業の前には、日本の不動産業、上場企業の買収、金融などに投資するチャンスが大量に橫たわっている。「南方網」が伝えた。
蔣秘書長は現在、日本の産業に対する中國企業の理解や投資を促す活動に力を入れているという。自身が會長を務める日本千博株式會社は、今月中に上海、北京、杭州などで訪日投資説明會を相継ぎ開催し、日本での投資チャンスを広く紹介する予定だという。
▽対日投資熱が上昇
対日投資熱の高まりを最も早く感じ取ったのは、千博社のような中日の経済貿易往來に関わりをもつ企業だ。
JChere日本株式會社上海支社の陳達俊経理(マネージャー)によると、同社は早くも先月14日に上海で、日本の不動産への投資に関する座談會を開催している。現在、対日投資を希望する顧客には2種類あり、一つは個人の顧客、もう一つは不動産関連の民間企業や投資基金などだ。いずれも金融危機で株価がふるわない日本の不動産企業を「買いたたく」ことに強い興味を示している。
中國民間企業の投資熱に、日本側も積極的な反応を示す。経済危機による財政的困難から抜け出すために、地方自治體の多くが中國とのつながりを求めている。
中國國際貿易促進委員會駐日代表処の傅存民主任によると、日本の地方自治體は一般的に外資導入に積極的だ。2008年下半期以降はその多くが中國企業の投資を歓迎する姿勢をたびたび明確にしている。
大阪外國企業誘致センター(O-BIC)は大阪府、大阪市、大阪商工會議所が共同で設立した非営利団體で、アジアを誘致や資本導入の重點と位置づける。國際部の梁瑜プロジェクト主管によると、同センターが昨年実現させた誘致プロジェクトは36件に上り、例年の約20件を上回った。うち中國企業によるものが最も多いという。
梁主管によると、同センターは今年10月に大陸部、香港地區、臺灣地區、韓國、シンガポールなどの企業家を大阪視察に招請し、より多くの投資プロジェクトを実現させる計畫だ。
実際の中日経済貿易関係では、中國の対日投資は日本の対中投資に比べて大幅に立ち後れている。商務部が昨年9月に発表したデータによると、日本の対中投資額(実行ベース)は累計639億ドルに上り、日本は中國にとって2番目の外資導入元だが、中國企業の対日投資はスタートが遅く、対日投資額(実行ベース)は累計2億5千萬ドルに過ぎない。とはいえ08年上半期の対日投資は前年同期比118%増と急速に増加して1470萬ドルに達した。
蔣秘書長は「中日間の経済協力において、私たちはずっと日本がやって來て投資するのを迎える側だったが、こうした歴史的な段階は終わりを告げるだろう」と話す。