1950年生まれ。1975年、東京外國(guó)語(yǔ)大學(xué)卒業(yè)、日本貿(mào)易振興會(huì)（ジェトロ）に入る?香港大學(xué)研修、日中経済協(xié)會(huì)、ジェトロ?バンコクセンター駐在などを経て、1993年、ジェトロ大連事務(wù)所を設(shè)立、初代所長(zhǎng)に就任?1998年、大連市旅順名譽(yù)市民を授與される?ジェトロ海外調(diào)査部中國(guó)?北アジアチームリーダー?2001年11月から?ジェトロ北京センター所長(zhǎng)を務(wù)めた。

上海萬(wàn)博の會(huì)場(chǎng)內(nèi)の世博大道を黃浦江に沿って南浦大橋の方向へしばらく行くと、緩やかな上り坂があります。その坂上から振り返ると、紫色の日本館の背後に赤い中國(guó)館が威容を誇って聳えています。その眺めは両館があたかも一つの建造物であるかのようです。

今年、中國(guó)は日本を抜き世界第二位の経済大國(guó)に躍進(jìn)することが確実視されています。その意味で、中國(guó)にとって、上海萬(wàn)博が開(kāi)催される2010年は、まさにエポックメーキングの年であり、坂上からの眺めはそのことを象徴しているかのようです。

上海萬(wàn)博の開(kāi)催意義

こうした年に開(kāi)催される上海萬(wàn)博に期待されるのは、中國(guó)のソフトパワーの発揮ではないでしょうか。ソフトパワーとはその國(guó)の文化、価値観、制度などへの理解を通じ、國(guó)際社會(huì)で発言力や信頼を得るパワー、すなわち、國(guó)際社會(huì)における中國(guó)の「好感度アップ力」です。

世界のすみずみにまで浸透している中國(guó)製品、世界各地を闊歩する中國(guó)人観光客、そして、急増する中國(guó)企業(yè)の海外展開(kāi)など、中國(guó)のモノ、ヒト、カネ（資本）が世界経済の中で急速にプレゼンスを高めています。中國(guó)は、ソフトパワーを発揮し、國(guó)際経済社會(huì)でのさらなる好感度アップをはかる時(shí)代を迎えているといえるでしょう。

かつて中國(guó)は、このソフトパワーを大いに発揮していた時(shí)がありました。例えば、唐代。當(dāng)時(shí)、首都長(zhǎng)安は世界最大の國(guó)際都市として商業(yè)?文化交流の中心地であり、中國(guó)の文化、価値観、制度などが海外各地で大いに取り入れられています。

日本館內(nèi)の疑似體験

日本が當(dāng)時(shí)、中國(guó)のソフトパワーに接する上で大きく貢獻(xiàn)したのが遣唐使でした。上海博覧會(huì)の日本館の物語(yǔ)はこの遣唐使の時(shí)代から始まります。日本館のストーリーは、①過(guò)去、日本は中國(guó)から多く（文化、制度、技術(shù)など）を取り入れ、②以後、日中両國(guó)はそれぞれ獨(dú)自の発展を遂げ、③現(xiàn)在そして未來(lái)に向け、地球的規(guī)模の課題に協(xié)力して取り組む時(shí)を迎えている、という流れを、ビジュアルに三つのゾーン構(gòu)成で紹介しています。中國(guó)のソフトパワーを享受してきた日本が、これから大いにソフトパワーを発揮しようとする中國(guó)と、地球的規(guī)模の課題に共に向き合うというストーリーが展開(kāi)するわけです。

〈ゾーン１〉 　遣唐使の時(shí)代を中心に、日本の文化が中國(guó)からの文化を取入れつつ発展してきた姿をグラフィックに映像を重ねて紹介する。

〈ゾーン２〉 ①自然との共生を特色とする文化や現(xiàn)代のダイナミックな都市の様子を紹介する。 ②地球環(huán)境問(wèn)題の解決に向けた先端技術(shù)や人々活動(dòng)を、最先端の技術(shù)や裝置の実物の展示を通じ実感していただく。

〈ゾーン３〉 日中が協(xié)力して保護(hù)活動(dòng)を行っているトキをモチーフとしたプレショーとメインショー（中國(guó)の昆劇と日本の能のコラボレーション、ロボットや映像など世界初、世界最大級(jí)となる未來(lái)技術(shù)など）を體験していただく。

まず、ゾーン１のトンネルを過(guò)ぎエスカレーターで三階へ。そこからがゾーン２。満開(kāi)の桜と茶室が訪問(wèn)者をお迎えします。その先で館內(nèi)の巨大空間を展望、通路を下りつつ日本の四季を楽しんでいただきます。ここでは綴プロジェクト（文化財(cái)未來(lái)継承プロジェクト）が紹介されている。

2010年上海萬(wàn)博の浦東エリア。左から赤い中國(guó)館、白い演蕓センターと紫色の日本館（東方IC）

綴プロジェクト　デジタル一眼レフカメラで文化財(cái)（展示品は、①俵屋宗達(dá)作『風(fēng)神雷神図』、②狩野元信作『四季花鳥(niǎo)図』、③狩野山雪作『老梅図』）を分割撮影し大判プリンタで印刷、文化財(cái)を長(zhǎng)期に間近で鑑賞可能。 　その先では、地球規(guī)模の水資源問(wèn)題の克服に焦點(diǎn)を當(dāng)てた最先端技術(shù)が実物と映像（下水浄化で飲料水にするバイオＮキューブや海水淡水の逆浸透膜など）で紹介されています。

続いて、都市レベルで二酸化炭素の排出がゼロになる「ゼロエミッションタウン」が、フォトジオラマと実物展示、映像裝置（左記）により2020年の未來(lái)都市として登場(chǎng)。

①エコカー（電気自動(dòng)車(chē)）

②発電床　人が踏むことなどで生ずる圧力で発電する床

③家庭用燃料電池ユニット　水素と酸素を利用して家庭に電気と溫水を供給

④発電窓　透明で薄い太陽(yáng)電池を貼り付けた窓ガラス

⑤有機(jī)ＥＬ照明　蛍光燈より少ない消費(fèi)エネルギーで発光する照明

⑥水素による製鉄プロセス革新　水素活用により製鉄過(guò)程で発生するCO２を30％抑制

⑦CO２分離回収貯蔵技術(shù)　工場(chǎng)や発電所で発生するCO２を回収し地中に埋設(shè)させる技術(shù)

さらに、鳥(niǎo)たちが憩う藤前干潟を復(fù)活させた市民の努力を特殊映像システムで紹介。

ゾーン３のプレショーでは、30年近く日本と中國(guó)が協(xié)力してトキを保護(hù)している取組みと未來(lái)技術(shù)（左記）を體感していただき、その上でショーをご覧いただきます。

①ワンダーカメラ　超高精細(xì)?超望遠(yuǎn)機(jī)能、動(dòng)畫(huà)を撮影しながら笑顔を認(rèn)識(shí)すると自動(dòng)的に抽出できる機(jī)能をもつ未來(lái)のコンセプトモデル（キヤノン開(kāi)発、世界初公開(kāi)）

②超臨場(chǎng)感フォト　日本の様々な里山風(fēng)景を撮影し會(huì)場(chǎng)內(nèi)の壁の一部として構(gòu)成したもの。390枚に分割撮影された巨大寫(xiě)真はあらゆる部分で遠(yuǎn)景?近景の雙方でピントがあっており３Ｄ技術(shù)を使わず立體感のある空間を再現(xiàn)（キヤノン獨(dú)自の技術(shù)）。

③パートナーロボット　介護(hù)?醫(yī)療?家事支援など人の活動(dòng)をサポート。その成果を、実際にバイオリンを弾く二足歩行のロボットとして登場(chǎng)させる（トヨタが開(kāi)発）。

④ライフウオール　未來(lái)のリビングの壁?テレビと一體化しジェスチャーだけで様々なコンテンツを自由に楽しめる。世界最大152インチのプラズマディスプレイを三面組み合わせた映像壁面は橫幅10メートルに及ぶ（パナソニックが開(kāi)発）。

メインショーでは、日中協(xié)力のトキ保護(hù)をモチーフとして、日本と中國(guó)の伝統(tǒng)的演劇である能と昆劇を融合させ、また、映像とライブショーによるミュージカルショーを楽しんでいただきます。ここには、トヨタが開(kāi)発している新しいコンセプトの乗り物であるｉ-ＲＥＡＬ（一人乗り）も登場(chǎng)します。

日本と中國(guó)の21世紀(jì)に向けたソフトパワー発揮の共演を日本館で楽しんで下さい。 （企業(yè)の敬稱は略させていただきました）

「人民中國(guó)インターネット版」　2010年5月27日