日本広報協會（NHK）の経営委員である百田尚樹氏は3日、都知事選に立候補した右翼政治家の応援演説中に、南京大虐殺の存在を公然と否定した。籾井勝人會長が先月、日本軍による慰安婦の強制徴用を否定したばかりだが、NHKの関係者が日本の侵略の歴史を否定?歪曲する重大事件が繰り返された。安倍晉三首相の昨年末の靖國神社參拝後、日本國內では侵略戦爭を否定する流れが強まっている。NHKの関係者の一連の発言のうち、次の三つの點に警戒が必要だ。「環球時報」が伝えた。

まず、これは日本の一部のメディア関係者が、マスコミの客観?公正?中立という職業道徳に背き、歴史問題で是非を混同していることを反映している。NHKは日本最大のテレビ局であり、同時に日本では唯一の公共放送局で、國內外で高い知名度と強い影響力を持つ。しかしその最高責任者と管理者は歴史の常識に背き、日本の侵略の歴史を公然と歪曲し、すでに歴史的に説が定まっている南京大虐殺を否定し、NHK経営委員會の掲げる「高い倫理観を持つ」、「公正、不偏不黨の立場」という原則に背いている。これはNHKの恥辱であり、日本のマスコミが獨立性を維持していることに対する皮肉であり、世界のマスコミの笑い話である。NHKが今後、歴史の知識を放送する際に公正な立場を維持できるか、中國のマスコミが交流?協力を続けられるかについて、我々は疑問視せざるを得ない。

次に、これは日本の政界とマスコミの一部の人間が結託していることを反映している。百田氏は南京大虐殺を否定する発言をし、侵略戦爭を公然と否定?美化したことから辭職を迫られた、元航空自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄氏の都知事選の応援演説をした。田母神氏は右翼団體「頑張れ日本！全國行動委員會」の代表であり、今回は無所屬で東京都知事選に出馬している。田母神氏は百田氏らの支持の他に、元東京都知事の石原慎太郎氏の支持を得ている。田母神氏が當選した場合、石原氏と同じように、歴史問題や中日関係を巡り、より多くの厄介事をこしらえることだろう。

それから、これは安倍首相がNHKをコントロールし、日本の歴史観を変える「3本の矢」を放ったことを反映している。日本メディアの報道によると、百田氏らは安倍首相と密接な関係を持っている。百田氏は、安倍首相の再任を支援し続けていた。安倍首相は再任後、経済と政治の「3本の矢」を推進し、その後は中國を仮想敵國とする強軍?軍拡の「3本の矢」を推進した。安倍首相は現在、日本の歴史観を変える「3本の矢」（靖國參拝、歴史教科書の修訂、メディアの抑制）を放った。安倍首相は2014年の年頭所感で、「強い日本を取り戻す戦いは始まったばかりだ」と語ったが、上述した「9本の矢」は実質的にこの「強い日本」を作るための取り組みだ。他人に向けて放った矢は、自身を傷つけることもあれば、さらには無辜の人を傷つけることもあると忠告しておこう。

（筆者：李宗遠　中國人民抗日戦爭記念館副館長）

「中國網日本語版（チャイナネット）」2014年2月7日

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