戦爭?平和?発展が人類の文明史を貫いている。國家間?民族間でいかに効果的に、武力を使用せずに係爭を解決すべきかという根本的な問題が存在する。1990年代前半?中頃の2度の世界大戦は、産業化を基礎とした人類間の殺戮だった。多くの罪なき平民が命を落とし、ホロコーストが発生した。人類は上述した問題をいかに解消するかについて、検討を迫られた。
ドイツは2度の世界大戦の発動者と失敗者だ。第二次大戦後、戦爭の苦しい結果を受けたドイツ政府と國民は、生まれ変わりの再生の道を歩んだ。ドイツ政府は戦爭の賠償を行い、関連法を制定し、反ナチスを國家的意志に高め、戦爭責任を無期限で追及した。さらに平和的な協議、さらには自國に損失をもたらすような手段により理解と信頼を勝ち取り、國家間の和解を実現し、歐州一體化を促進した。
思想?意識の面において、ドイツ人は事実を認めた上で、全民族の魂の「消毒」に取り組んだ。學校の歴史教育、メディアの報道、政府の模範、全社會の議論などの手段により、歴史を全國民で反省し、基本的人権の尊重を確立し、戦爭に反対した。ドイツは平和を求める、歴史を記憶する共同體に発展していった。
ドイツと同様、日本も第二次大戦の元兇の一つだ。しかし日本はドイツと異なり、國家政策と思想?意識の面で、戦爭に対する反省があまりにも不十分だ。極めて複雑な歴史的原因により、占領國は戦後、日本の戦爭の罪に対して厳格かつ徹底的な清算を行わなかった。これにより、日本と侵略戦爭を緊密に結びつける政治?経済構造が、徹底的に改善されなかった。軍國主義分子が全體的に勢力を維持し、エリートとして政界?経済界に進出し、力強い右翼の傾向を「保存」した。これは後の平和憲法の改定に、政治?経済?組織の基盤をもたらした。
日本の右派は、國民の教育や世論のリードといった権力を利用し、歴史の真相をあの手この手で覆い隠し、歪曲しようとしている。日本の影響力ある人は戦爭の罪を反省せず、侵略の歴史を極力否定し、されには美化し、戦爭責任を逃れようとしている。日本政府は隣國の重大な関心と自國民の反対を顧みず、憲法解釈見直しなどの手段により事実上の地域軍備競爭を引き起こし、地域の強い不安に陥れている。
歴史を振り返ると、ドイツは「敗戦國のイメージの払拭」が系統的な取り組みであることを、正確に理解することができた。これには反戦的な政治體制と法制度の構築、戦爭責任の追及、全國民による反省、戦爭賠償、國家?民族間の和解などが含まれる。しかし我々は日本の右派の一連の言行によって、日本の軍國主義復活を警戒する理由を手にしている。國際的な法則を尊重せず、勝手気ままに振る舞い、武力によって不當な利益を手にしようとすれば、再び戦爭の発端の地となり、最終的に自身と他者に害をもたらすことだろう。(筆者:朱剣利 中國社會科學院世界歴史研究所の學者)
「中國網日本語版(チャイナネット)」2015年6月16日