岸田文雄首相は安保3文書という訪米の手土産を持ち、13日にワシントンに直行する。この3文書は日本の今後5年の武器調達計畫と今後10年の軍事発展の方向性を示した。防衛予算の約1兆円の不足は、臨時の國債発行ではなく増稅により補うことを検討している。「防衛増稅」という計畫が発表されると、日本全體が騒然とした。
「防衛増稅」は日本國民の苦しみを深める。日本人の稅負擔は今や名目上の所得のほぼ4割に達しており、一部の人は5割弱にのぼっている。自分が「國の奴隷だ」と言う日本人がいるのも納得だ。この狀況は「防衛増稅」によりいっそう深刻化する。だた米國が歓迎している以上、日本國民は受け入れざるを得ないだろう。鳩山由紀夫元首相は以前、日本の大半の重要な法案が日米合同委員會によって決められていることに、首相に就任してから初めて気づき驚かされたと語った。
米國がこれほど歓迎している時こそ日本は慎重になるべきだ。プラザ合意後にはバブル経済が崩壊した。「日米構造協議」の後はバブル崩壊後の「失われた30年」だ。米國が要求し歓迎することのすべてが日本に大きな変化をもたらすことが分かる。
ノーベル経済學賞の最有力候補とされていた、文化勲章受章者の宇沢弘文教授は生前、米國からの提案と要求の多くが日本にとっては毒薬であると再三警鐘を鳴らしていた。日本の成長は米國の資本主義や技術とやらではなく、日本の「社會的共通資本」によって決まるというのだ。
逆に見ると、日本がこれほど積極的になっているのは、「政治の天井」を破ろうと試みているからだろうか。日本の保守派にとって、改憲と天井打破は彼らの願い通りで、短期的に打破できなければ外の米國の力を借りてこの天井に最大限に接近するのも良いだろう。安倍氏の「核共有」説はすでに日本のタカ派の間で根ざし、機會があると頭をもたげる。米國はこれを懸念しないのだろうか。日本の「非核三原則」は現在の安保3文書と同様、國會を経由せず閣議決定されただけのものだ。岸田內閣はすでに戦後70年に渡る専守防衛の原則を変えたが、日本の今後の政治?軍事日程は非核三原則を変えるだろうか。
専守防衛の原則は憲法によって守られているが、日本國憲法をこうして紙くずに変えれば、それは憲法を遵守する日本國民への不敬であり、バイデン政権への面當てにもなる。當時副大統領だったバイデン氏がかつて公の場で、日本の平和憲法は米國が協力し制定したものだと述べたからだ。バイデン氏は戦後に同様の発言をした米國の最高レベルの當局者となった。(筆者?華僑大學客員教授、橫浜國立大學元客員教授)
「中國網日本語版(チャイナネット)」2023年1月9日