文=小林正弘
清華大學(xué)法學(xué)博士
Genuineways Law Firm パートナー
中國(guó)では高齢化社會(huì)の進(jìn)行に伴いシルバー経済拡大の機(jī)運(yùn)が高まっている。本年1月には國(guó)務(wù)院より「シルバー経済の発展、高齢者福祉の増進(jìn)に関する意見(jiàn)」が発表され、今回の三中全會(huì)で採(cǎi)択された決定でも高齢化問(wèn)題に積極的に対応する施策としてシルバー経済の発展が強(qiáng)調(diào)された。
シルバー経済とは高齢者向けに提供する商品?サービスおよび老後準(zhǔn)備などの一連の経済活動(dòng)の総和を指し、具體的には高齢者向けの食事、醫(yī)療、介護(hù)、文化?スポーツなどの公共サービスや、高齢者向け用品、スマート養(yǎng)老、アンチエイジング、養(yǎng)老金融商品、健康補(bǔ)助器具、高齢者旅行サービス、バリアリーリフォーム等の潛在的産業(yè)の発展なども含まれる。
統(tǒng)計(jì)によると、2023年末の時(shí)點(diǎn)で、中國(guó)の60歳以上の高齢者人口はすでに2億9000萬(wàn)人に達(dá)し、総人口の21.1%(その內(nèi)、65歳以上が15.4%)を占めており、2030年あたりには、65歳以上の人口が20%を超える超高齢化社會(huì)へ突入するとの予測(cè)がある。これに伴い、中國(guó)老齢科學(xué)研究センターの試算では、現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で約7兆元(約140兆円)規(guī)模(GDP比率約6%)のシルバー経済は、2035年までに30兆元(600兆円)規(guī)模(GDP比率約10%)に拡大すると予測(cè)している。
中國(guó)では高齢者は家族と一緒に暮らし、孫の世話(huà)をしながら、老後の生活を送るケースが多く、老人を大切にする伝統(tǒng)などからも施設(shè)介護(hù)に抵抗があり、現(xiàn)在、9割以上の高齢者は在宅?社區(qū)(居住地域コミュニティ)介護(hù)の傾向がある。他方で大部分を占める夫婦共働きの家庭にとって高齢者の食事、健康管理、介護(hù)など負(fù)擔(dān)が大きいだけではなく、高齢者自身の健康、文化、社交など多方面にわたりより質(zhì)の高い生活を求めるニーズも高まっている。
このような背景のもと、喫緊の課題の一つが「高齢者の食事支援サービスの拡大」とされ、政府の資金援助の下、社區(qū)に住む高齢者に10元前後(約200円)でバランスのとれた食事を提供する老人食堂の建設(shè)?拡充が進(jìn)められている。老人食堂は高齢者の健康?栄養(yǎng)管理を支えると同時(shí)に、友達(dá)を作り、交流を楽しむ憩いの場(chǎng)ともなっている。デリバリー業(yè)者と提攜し、體の不自由な高齢者向けに食事の宅配サービスを提供するなど様々な工夫がなされている。
人は誰(shuí)しも老いる。いかに老い、いかに人生の幕を閉じるか。シルバー経済の裾野は広く、その意義は経済効果に限られない。高齢者問(wèn)題やニーズに対応する積極的な取り組みが、高齢者に生きる希望と活力をもたらすだけでなく、その家族の負(fù)擔(dān)軽減ならびに新たな産業(yè)?雇用の創(chuàng)出に繋がり、社會(huì)全體の活性化へと繋がっていく。本當(dāng)に″豊かな社會(huì)″とは、老いても、人間らしく、楽しく、喜びにあふれ、創(chuàng)造的な人生を最後まで全うしていける社會(huì)といえよう。高齢者を尊ぶ伝統(tǒng)をもつ中國(guó)におけるシルバー経済の発展が″豊かな社會(huì)″建設(shè)の模範(fàn)となることを願(yuàn)ってやまない。
「中國(guó)網(wǎng)日本語(yǔ)版(チャイナネット)」2024年9月29日