新任のヒラリー?クリントン米國務長官のアジア訪問が15日からスタートした。まず日本を訪問したあと、インドネシア、韓國、中國を歴訪する。慣例として、新任の米國務長官は就任後にまず米國と伝統的に友好関係の深いヨーロッパまたは中東を訪問するケースが多い。前任のライス國務長官も初外遊にパリとベルリンを選んだ。しかし今回、ヒラリー長官は常識を打ち破ってアジアを訪問した?!钢袊侣劸W」が伝えた。
▽対中國:中米対話の全面的な底上げ
現在の日程では、クリントン長官の訪中は20日から22日。これまでにもオバマ政権がアジア諸國との関係強化を図るシグナルとして、クリントン長官の最初の訪問先はアジアだとの見方がマスコミで飛び交っていた。クリントン氏の初外遊の「クライマックス」が中國に置かれているため、西側メディアは中米関係を重視するあらわれだと見ている。米ジョンズ?ホプキンス大學高等國際関係學院の、著名な中國問題の専門家であるランプトン教授によると、クリントン長官の今回の訪中には、第一に戦略的相互信頼の増強、第二に経済の安定維持、第三に互恵協力の拡大という3つの重大任務がある。またほかにも米國務院の主導的な対中外交シグナルを送るという任務もある?,F在明らかになっている消息から見ると、中國での會談の重點は経済と安全問題になりそうだ。
▽対朝鮮:今のところ核問題に対する新政策なし
対中政策のほかに、もうひとつ今回の焦點となっているのが朝鮮の核問題だ。クリントン長官は13日のニューヨークでの講演で、「朝鮮が核兵器計畫を放棄するなら、米國は関係正?;驀恧?、平和條約に調印してエネルギーやその他の経済支援を提供する」と表明した。
朝鮮側は先月30日、朝鮮と韓國間の政治?軍事対抗停止に関するすべての協議を破棄すると宣言。韓國の軍事関係者によると、朝鮮が海州と甕津半島に集中的に據付けている沿岸砲の演習回數が明らかに増加したという。朝鮮はこのほど「軍事境界線」に大砲と沿岸砲を據付け、うち大砲350基の核砲弾を直接ソウルに向けていると発表した。
朝鮮の動きに対し、クリントン氏は10日、朝鮮の動きが北東アジアの平和?安定?安全の脅威の兆しとならないよう願うとし、北東アジア諸國は朝鮮の「脅威の行動」を容認できないとすでに明確に表明していると「警告」した。「われわれの立場は変わらない。われわれには6カ國會談を進める意思がある」との考えを示した。こういった側面からオバマ政権は朝鮮核問題に対するブッシュ政策の代わりとなる方法を見いだしていないことが伺える。
▽対日本:日本は米國に見捨てられないか心配
中國が平靜であるのに対し、日本と韓國は今回のクリントン氏の訪問を高度に重視している。米國の政権交代による政策の急転換が見込まれるため、日韓両國、とりわけ日本は米國との関係に格別敏感となっている。
米の専門家は、日本は米國から見捨てられるのではという一種の「恐怖感」を抱いていると分析する。米國の外交方針に変化があるたびにこの恐怖感が特別強烈に露呈するという。先月12日に日中米國交正?;?0周年で、オバマ氏の外交顧問のブレジンスキー氏が「米中首脳會談(G2)」を提案した際、日本の専門家は「日本は米國が一旦中國を選んでしまうと、日本を見捨てるのではないか心配している」とこぼしたという。また日米外交は危機的な狀況に立たされているとの見方もある。
こういったことから日本の外交界はここ數週間手を盡くしてクリントン氏が最初に日本を訪問するよう畫策していたと日本のマスコミは報じている。しかしクリントン氏は先月13日の講演で、日本人に安心感を與えた。日米同盟は「米國にとって対アジア政策の基礎」だと強調し、「最初に訪問するという行動でもって外に日米同盟の強化を証明したい」と表明したのだ。
しかし、こういった同盟関係には代償を必要とする。クリントン氏が日本政府にアフガニスタンへの支援政策を打ち出すよう迫るのは必至だ。しかし日本は米國が発動した戦爭の巻き添えになるのではと心配していると日本のマスコミは分析する。
対韓國:韓國は関係回復に積極的
李明博(イ?ミョンバク)大統領の前任だった盧武鉉(ノ?ムヒョン)政権時代に総合的な國力を急速に強めた韓國は「獨立外交」と「自主國防」を追求していた。韓國と米國は対朝鮮政策、朝鮮核問題および軍事協力などの問題で分裂し、韓米の同盟関係はやや弱まった。しかし李明博大統領就任後は、積極的に米國との関係回復?改善に努め、朝鮮の核問題、朝鮮の人権問題、地域の安全保障などにおいて米國とうまく協力し、韓米関係は強固なものとなった。
このため今回のクリントン氏の韓國訪問に韓國側は李明博大統領との會食會を設定し、ヒラリー氏の警護に総統府の警備隊があたるなど、特別待遇でもてなす方針だ。
「人民網日本語版」2009年2月17日