米國のヒラリー?クリントン國務長官が15日から日本、インドネシア、韓國、中國を歴訪している。國務長官就任後初の外遊であり、実質的には米新政権全體の外交戦略の重要な一部でもあり、國際社會に新たなシグナルを送るものとなっている。
クリントン長官の今回のアジア歴訪はこれまでの慣例を破るものだ。歴代の米國務長官は、就任後初の訪問國として、伝統的な同盟國である歐州諸國あるいは中東諸國を優先させてきた。米國が外交政策においてアジア重視を強めたことは、國際社會や米國の対外関係におけるアジアの地位や影響力の高まりを示している。まさにクリントン長官が述べたように、最初の訪問地にアジアを選んだ理由は、すでにアジアが世界経済を牽引する重要なエンジンとなっており、「米國の現在と未來にとって極めて重要」だからなのだ。
今回の訪問の重點は、新政権のアジア政策を示すことにある。その目的の1つは、アジアの安全保障への米國のコミットメントを再確認し、日韓両國との伝統的な同盟関係を固めることだ。クリントン長官は「米國はこれまでと同様に同盟國である日本の立場を重視する。米日は両國の同盟関係の強化に一層努力すべきだ」と強調した。クリントン長官は韓國のことも「確固たる歴史的盟友」と呼び、アフガニスタン復興や海賊の取締りへの參加など、全世界の安全への一層の貢獻を両國に促した。
インドネシア訪問にはいくつもの意味が込められていた。第1に、世界最大のムスリム人口を擁す同國に友好的姿勢を示し、イスラム世界との関係改善を図ること。第2に、インドネシアは「新興民主経済國」であると同時に、重要なエネルギー輸出國でもあり、それ以上に東南アジア諸國連合(ASEAN)の重要な加盟國でもあるからだ。
オバマ政権は発足後、損なわれた米國のイメージを修復し、世界の指導者としての地位を回復することを、外交戦略全體の目標として明確化した。対歐州関係の重要性を強調すると同時に、クリントン長官の初訪問には、米國のアジア重視の新思考を示す意図があった。このことから、米國の世界戦略の基本的枠組が浮かび上がってくる。まず、歐州?アジアの伝統的同盟國との関係を修復?強化し、安全保障における一層の役割を同盟國に求めることで、米國の指導的地位の支えとする。これには、一國主義の放棄を検討し、同盟國の関心や懸念といった重要な情報に耳を傾ける用意のあることも含まれる。このほかオバマ政権は新興市場國との良好な協力関係の構築にも盡力していく。クリントン長官が、たとえ敵対國とであっても、外交を優先し、無條件の話し合いによって紛爭の解決を図るとの考えを強調したことは、なおさら言及に値しよう。クリントン長官は、米國は対外政策で「再び衝動的に事を進めることなく」、「再びイデオロギーで線引きすることなく」、「敬意ある態度で」意見に耳を傾けると表明している。
「人民網日本語版」2009年2月20日