小佐古敏荘氏
「専門家の間の見解の相違で辭任した。大変殘念だ。我々は決して場當たり的な対応はしていない。」菅直人首相は衆院予算委員會で、東京大學放射線安全學教授、小佐古敏荘氏の辭任に対し、このように述べた。臺灣紙「中國時報」が3日伝えた。
小佐古教授は東京大學で教授を務める放射能の専門家で、東日本大地震発生から5日後、原発事故の助言を政権に求められて內閣官房參與に就任した。しかし、わずか1カ月あまりで、この放射能専門家は涙ながらに辭任すると発表した。
小佐古教授は辭任記者會見で、原発事故に対する政府の対応について、「その場限りの対応で事態収束を遅らせている」と非難した。そして、「もぐらたたき的、場當たり的な政策決定を官邸と行政機関が取り、手続きを無視している」と指摘した。
小佐古教授の辭任は、混亂の続く菅內閣に更なる打撃を與えた。首相のブレーンである人物がこのような時期に非難を行ったため、菅直人も必死で反論するほかなかった。小佐古教授は菅首相の推薦により入閣した。しかし、その小佐古教授は就任まもなく辭任し、また、去り際に爆弾を落としたとなれば、菅直人にとって相當の痛手だったに違いない。
菅直人は実際極めて苦しい立場に置かれている。民主黨は4月の統一地方選挙で敗北したが、政黨のイメージを大きく崩しただけでなく、菅直人の執政能力の危うさを露わにしてしまった。菅直人の執政に対する異論が相次いだだけでなく、訴訟の最中にある小澤一郎も何やら動きを見せ始めたという。