歴史的経験と人類に対する責任の観點から見て、中米関係は最良を追求せずとも良いが、最悪は防止しなければならない。新型の大國関係という導きなしに、中米関係が最良を追求することはできず、それ以上に最悪を回避することはできない。(文:王義桅?中國人民大學國際問題研究所所長。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
筆者は先日招待を受けて訪米し、NSC、國務省、議會の中國擔當當局者、およびオバマ政権1期目で大統領補佐官(國家安全保障問題擔當)を務めたドニロン氏、ジョージ?W?ブッシュ政権で大統領補佐官(國家安全保障問題擔當)を務めたハドリー氏を訪ね、中米の新型の大國関係には克服しなければならない懸念事項が、大きく3つあることを深く理解した。
懸念事項その1:中米の地位の衝突。米國はナンバー2になることを決して望まない。中國の臺頭が米國の地位と國家アイデンティティを再定義できるかどうか。これは中米関係における最大の懸念事項だ。中米は共に努力して「米國例外論」「マニフェスト?デスティニー観」を時代の変化に対応させ、米國を量、質共に中國の臺頭がもたらす世界の変化に適応させるべきだ。中國は世界を指導したことはないし、ましてや米國に取って代わって指導的地位を得るつもりもない。
懸念事項その2:中米の戦略の揺れ。米國の対中関與政策によって中米経済は高度に依存し合い、中國は米國主導の國際システムに融け込み、中米の戦略的安定性の礎も築かれた。現在中米関係は経済面の非連動、體制面の非連動の問題を抱えている。
まず、経済面の非連動。世界金融危機後、米國は経済リバランス、アジア太平洋リバランス戦略を打ち出したが、アジア経済と米國との非連動、中國との連動の問題、アジア太平洋における米國の同盟と対中関係との問題は解決できるのだろうか。米國は答えを示していない。人民元の國際化を米國はどこまで容認するのだろうか。現時點でまだ米國は「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀の海のシルクロード)を有望視していない、またはよく理解していない。將來はどうだろうか。