次に、體制面の非連動。BRICS銀行、アジアインフラ投資銀行、アジア新安全保障観および新安全保障メカニズムを前に、米國は中國が新たな國際體制を構築しつつあると推測し、米國をアジアから追い払う中國版モンロー主義だと考えている。米國が考えすぎなのは明らかだ。中國の臺頭を前に、米國の対中関與政策は揺れ続けている。経済から安全保障分野へと邁進するのか、それとも中國が國際安全保障の公共財を提供することを奨勵するのか。
懸念事項その3:中米の國內的制約。思考の慣性、官僚システムの慣性は、中米の新型の大國関係にとって深刻な國內的制約だ。
まず、思考の慣性。米國が中國を挑戦者と見なすのは、始めはストレス反応または國內の民族主義によるものだろうが、月日が経つうちに本當のものになる恐れがある。米國が中露接近を望まないのは、戦略面の疑念や懸念だけではなく、ロシアによって中國が米國の対中戦略を陰謀論的視點から見るようになることも懸念しているからだ。このため米國は、中國を封じ込める考えはないと繰り返し強調している。
次に、官僚システムの慣性。エリートは中米が新型の大國関係を構築することの必要性と可能性を認識しているが、官僚システムと民衆の思考の慣性は、エリートの政策決定を妨げ、またはミスリードし、中米関係が互いの國內政治の犠牲になる事態を招く恐れがある。
この懸念事項をいかに克服するか。まず中米のエリートが、國內の制約を回避し、國家アイデンティティを誘導し、新たな戦略融合剤を凝集することだ。
新たな習近平?オバマ會談が近く行われる。中米の新型の大國関係は選択肢ではなく、必然的な要請だ。まさにキッシンジャー氏が新著『世界秩序』で指摘したように、中米の見方がどれほど異なろうとも、「新型の大國関係は歴史の悲劇を避ける唯一の道」なのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年10月24日