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対話の「きっかけ」から未來を語る場へ

対話の「きっかけ」から未來を語る場へ。 日中が共存するためには、両國の関係者が腹を據えて率直に議論をするべきである。現狀では色々な問題があるが、問題があるから日中関係が進展しないのではない。両國がアジアや世界の中で、お互いに利益をもって共存、発展できるという狀況に向かえない限り、何も始まらないのだ…

タグ: 日中関係

発信時間: 2016-09-19 13:59:12 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

言論NPO代表 工藤泰志

 日中が共存するためには、両國の関係者が腹を據えて率直に議論をするべきである。現狀では色々な問題があるが、問題があるから日中関係が進展しないのではない。両國がアジアや世界の中で、お互いに利益をもって共存、発展できるという狀況に向かえない限り、何も始まらないのだ。問題を解決するために話し合うのはいいが、互いを批判するための問題提起には意味がなく、アジアの將來を考えた場合、2つの大國が協力しあい、発展させていく狀況にならなければいけない。そのためにみんなで知恵を出し合う時がまさに今だと思っている。

 「東京—北京フォーラム」はまさにそういう方向性をつくるための「基礎工事」と「環境づくり」の場であると思っている。そうした條件をつくっていくためには、多くの國の有識者や要人が、課題解決によって両國の困難を乗り越えるだけではなく、未來に向かって協力するという議論のサイクルをつくっていかなければならない。しかもそれが公開され、多くの両國民が見て「問題解決のためにこんな努力をしている人がいるんだ。私たちもこのアジアのために、二國間のために何かができないだろうか」と考え始める、というサイクルが醸成されたなら、日中関係は本當に強い関係になるだろう。

 言論NPOは誕生して15年を迎える。設立2?3年目の頃、両國民がここまで対立している狀況を誰かがたださなければいけないと感じたが、政府もメディアもそれをしなかった。それどころか相手を攻撃し、自國のナショナリズムを加速させてしまった結果、外交関係まで悪化させる事態になってしまった。そのような事態を見るにつけ何とかしなければいけないと思い、私は北京に向かい、日中共同で問題解決の糸口を探ろうと提言した。単なる友好ではなく、困難を乗り越えるための課題に挑もうという私の呼びかけに、多くの中國の方々が応えてくれたことを今でも思い出す。

 あれから11年が経ち、「東京—北京フォーラム」は両國の困難を乗り越えるための唯一の絆になった。「東京—北京フォーラム」以外にも両國の困難を乗り越えるための対話が數多く行われているが、外交的な対立が深まった途端にみな中止してしまう。だから私はもうこのフォーラムしかないと今では思っている。「東京—北京フォーラム」でも、これ以上続けるのは難しいのではないかという提言がありはしたが、私は困難だからこそ対話し続けようと説得し続け、今に至っている。

 中國の方々は、「大義」に対してきちんと聞く耳を持っていると私は感じている。政府間での両國関係悪化を民間レベルで乗り越える場をつくり、狀況を変えようというのが、「東京—北京フォーラム」が掲げる「大義」である。それに基づき政府よりも半歩先、一歩先に進んで交流を続けようという場をつくってすでに11年が経つ。それも中國の方々の強い思いと協力の意思があったからこそと思っている。

 しかし、道のりはまだ半ばである。長い時間をかけて困難を乗り越え、何でも話し合える対話の場をつくったが、未來のためにお互いが協力?発展し、平和をつくっていくという作業はこれからだ。私が今回の対話を「アジアや世界の未來のために協力しよう」というテーマに定めたのは、まさに変化のさなかにある世界を真正面から議論し、互いに協力して発展して地域の平和をつくっていくためであり、その作業に入りたいと思ったからだ。だから私は、今年の「東京—北京フォーラム」は対話のきっかけを終え、ようやく未來に向けたスタートを切ることができる年だと思っている。

 日中関係はあまり良くないが、私たちはそこに気を取られず、だからこそ狀況を変えていこうという覚悟をもって取り組んでいかなければいけない。當然さまざまな摩擦はあるだろう。しかし摩擦があるからといって対話を止めるのではなく、摩擦を乗り越えるための努力をしなければいけないし、そのために両國の100人近い代表者が話し合うのである。対話の內容のほとんどは一般に向けて公開されるので、両國民にも內容を見て、日中両國がアジアの中でどのように協力発展し、地域の平和をつくれるかを考えてもらいたい。そしてそのために、多くの人々が汗をかき、努力をし始めているということを知り、応援をしてほしい。その応援の輪が広がれば、日中関係はいかなる困難があっても間違いなく乗り越えることができるだろう。今回の対話がその「エンジン」となることに期待する。

「人民中國」より2016年9月19日

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