先日米國が「民主主義」の仮面をかぶって開催したいわゆる「民主主義サミット」は、最終的に広く批判の聲を浴び、慘憺たる結末を迎えた。國際世論は、いわゆる「民主主義サミット」は米國の政治屋によるパフォーマンスの場と言ったほうがふさわしく、その手法によって米國こそが民主主義にとって最大の脅威であることがまさしく示されたと指摘する。いわゆる「民主主義サミット」を利用して他國を叩き、世界を分斷する米國の覇権的行為は必ず失敗するだろう。(人民日報「鐘聲」國際論評)
冷戦終結から今年で30年になるが、米國の開催したいわゆる「民主主義サミット」からは冷戦思考が色濃く滲み出ていた。米國は自らを基準に線引きをし、世界の半分の國や地域を「民主主義陣営」に入れ、殘る半分の國を「非民主主義國」に入れた。これは世界を冷戦構造に押し戻す危険な企ての表れだ。國際社會はこのことを見抜いている。パキスタン紙「The News International」は、いわゆる「民主主義サミット」について、その枠組から議題に至るまで全てが真の民主主義精神に背いていると指摘した。タイのドーン副首相兼外相はサミットについて、単なる政治的目的に基づく政治工作だと指摘。またエジプトやサウジアラビア、イスラエルなどの中東各國のメディアは、いわゆる「民主主義サミット」について、米國が他國の內政に干渉し、覇権を維持するための道具であると指摘した。
米國による民主主義の私物化、道具化と武器化は、民主主義の精神と価値観を裏切り、踏みにじるものだ。ある國が民主的であるか否かは、外部がとやかく言い、勝手に判斷するのではなく、最終的にその國の人々が判定すべきだ。世界に完璧な民主制度はなく、全ての國々に適用可能な政治制度モデルは存在しない。各國の民主制度の構築や民主プロセスの発展には、それぞれ歴史や民族性があり、固有の価値観がある。米國が自らの基準で民主主義の定義を獨占しようとし、各國間の文化、歴史、文明の大きな違いを無視していること自體が、最大の非民主主義だ。
米國は長年、「民主主義の『輸出』」のために他國の內政に干渉し、戦爭を発動することも辭さずにきた。しかし、このような覇権的行為は、他國に民主主義をもたらさなかっただけでなく、反対に多くの人道的災害を引き起こしてきた。米國の「民主主義の『輸出』」の被害を受けたアラブ諸國の世論調査では、回答者の58%が米國の外交政策に否定的な態度を示し、81%が米國をアラブ諸國の安全保障にとっての主要な脅威だと回答した。
民主は全人類共通の価値観だ。自らの利益のために民主主義の旗印を盜用することで、米國は「民主主義の破壊者」という真の姿を示した。もし米國が本心から民主主義を守りたいのなら、各國と共に平和?発展?公平?正義?民主?自由という全人類共通の価値観を発揚し、國連憲章に基づく國際関係の基本準則を厳守し、國際関係の民主化と法治化を共に推進し、手を攜えて様々なグローバルな試練に対処し、人類運命共同體の構築を後押しするべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月14日