データによると、中國は現在、世界で聴覚障害児童數の最も多い國となっている。2006年に実施された第2回全國障害者サンプル調査によると、中國には聴覚?言語障害者が2780萬人おり、そのうち0歳から6歳の聴覚障害児童は約13萬7千人で、毎年約2萬人から3萬人が聴覚障害児として生まれている。聴覚障害児童は小さい頃から無音の世界に閉じ込められ、外界の音聲情報を取得することができない。言語の障害は、これらの子どもたちから楽しいはずの幼年時代を奪い、その後の人生の途上でも學習や生活、就業を阻む困難となる。
西湖のほとりの「最も素晴らしい教授」
浙江省杭州市の美しい西湖畔に、聴覚障害児童のリハビリを助ける「天使」がいる。浙江中醫薬大學聴覚障害リハビリ研究所(耳聾康復研究所)所長を務める王永華教授である。王教授は、無音の世界のプロメテウスのごとく、聴覚の暗闇に光を攜えてやって來て、寂しく孤立する障害者の生活を明るく照らし出している。
杭州聴覚障害児童リハビリセンターは1994年、國內では早期の聴覚障害児童言語訓練リハビリ機構として設立された。王教授は以來、20年余りにわたって、聴覚障害児のリハビリ事業に全身全霊を投じ、數千人の聴覚障害児の聴覚リハビリの成功を助けて來た。ここを出て行った聴覚障害児童のほとんどは有効なリハビリを実現し、一般の幼稚園や一般の小學校に無事入學し、さらに100人近くは高得點で大學に合格し、社會を支える人材となっている。
聴覚障害児童に音のある世界を取り戻させるのを助ける事業に取り組む中で、王永華教授は、聴覚障害児の家庭リハビリモデルを考案して普及に成功しただけでなく、「杭州恵耳聴力技術設備有限公司」を創設し、聴覚障害者のリハビリと補聴器の取り扱いに専門的に従事し、業界全體を率いてデジタル補聴器の発展と実踐を進めた。王教授は、各級の障害者連合會と連攜し、各種の聴覚障害予防の公益活動も積極的に展開している。公益活動で寄付を受けた人の數は2015年だけで847人に達し、金額は897萬元に及んでいる。2015年9月、中國人民抗日戦爭と世界反ファシズム戦爭の勝利70周年を記念するため、王永華教授率いる恵耳の補聴器技能士チームは、重度の聴覚障害のある抗日戦爭元兵士70人に補聴器70臺を無料で贈呈した。2016年、王教授は、杭州市第2回「最も素晴らしい障害者援助ボランティア」の稱號を獲得した。