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小豆子は一枚の寫真がもとに |
「南京!南京!」はモノクロ畫面で、すべての主役には原型がある。「モノクロの畫面では血は黒い」と陸川監督は語る。この題材を撮りたい他の中國人監督と比べ、彼の最大の強みは膨大な數の日本兵の日記を読めたことだという。「樊建川という私の友人が、自分の貯金をはたいて28の博物館を建てた。そのなかに全國最大の抗日戦爭の寫真館があって、50萬枚以上のモノクロ寫真が収められている。すべて彼が日本で買ってきた寫真集だ。2000冊はあるだろう。その頃から彼は私がやりたいことを知っていて、無料で博物館を開けてくれた」。
作品に出てくる日本人兵士の角川という役は、多くの日本兵の日記をまとめて作り上げられた人物だし、高円円演じる姜淑雲は中國人教師の足跡をまとめた人物だ。
ある日、偶然目にした一枚の寫真が陸川監督を震撼させる。「それは少年兵の寫真で、彼の名前は李萬方。數え切れないほどの水筒とコップを背負っていた。日本軍に捕虜にされた最年少の兵士だ。この寫真を見て心が締めつけられた。だからリュウ?イェの傍にこの人物を描いた。それが小豆子だ」。
映畫の中ではどのエキストラの顔も真に迫るものがある。「この映畫では、中國人の顔を二度とぼかしたくなかった。中國人がただ殺されるだけというイメージから、南京大虐殺を題材にした映畫を見たがらない人も多い。私たちは埋沒した事実を特に表現したかった。70年が経った。今ここで30萬人の犠牲者のうち3人の名前をあげてみてください。3人といわず、一人もあげることができないでしょう。數十萬人の代価が支払われたのに、最終的には一人の名前も殘っていない」「毎回撮影現場では、昔の寫真をもとに1000人以上のエキストラの中から私たちがこれだと思う中國人の顔をじっくり選んだ。撮影の度に2、3時間はかかった」と陸川監督は語る。
?人民網日本語版?2009年4月23日