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第17回 日本に1年留學した中國の高校生の感想は?(上)
発信時間: 2008-12-01 | チャイナネット

中國人高校生が日本に約1年留學した後、どんな感想を持つのでしょうか?

國際交流基金が実施している中國人高校生の日本留學プログラム(注)を経験した中國人高校生達が、日本での思い出、感想を書きました。その文集が、國際交流基金より発行されました。彼らが書いた思い出集にはいろいろ多感な年頃の若者が書いた興味深い記述が沢山あります。また日本と中國の習慣、文化などの違いをどう認識し、その違いを前にどうしたら良いかも書いています。日本についての認識を深め、同時に祖國中國についても考えるようになり、祖國の発展のために貢獻したい、また日中の架け橋になりたいという決意を確認したという文章もあります。(これは魯迅先生が日本で醫學を學びながら、中國のために醫學以外の道で貢獻することを決意したことを思い出させます。)中國人高校生たちは、日本語は中國出発前から勉強したとは言え、日本の高校で日本語を使っての勉強についていった學力、日本の生活に適応した柔軟性、そして観察眼と洞察力の鋭さなど、私も本當に感心しました。

日本側の高校の教師たちも文集に感想を寄せています。皆、中國の高校生たちを高く評価しており、日本人高校生たちに非常に良い影響があったと述べています。

中國の高校生が日本に約1年滯在したことで、日本側、中國側の雙方が、人間的なふれあいをし、相手に対するイメージを良くしたことが、文集からうかがわれます。すばらしい成果があがっており、國際交流基金日中交流センター、日本の高校、日本のホストファミリー、またこの事業に協力して下さっている中國教育部、中國の學校関係者、その他の関係者の皆さんに厚く御禮申し上げたいと思います。

國際交流基金のお許しを得て、以下、思い出集から紹介してみたいと思います。また高校生たちの交流は、インターネットでも見ることができますので、興味のある方はご覧になってください。

(注)日本の獨立行政法人國際交流基金は、日本の政府機関や高校と、また中國の教育部などの政府機関、高校と協力して、中國の高校生を日本に招待するプログラムを2006年に発足させました。長期招待のプログラムでは、日本に約11ヶ月滯在し、日本の家にホームステイし、日本の高校に通って日本語で勉強するものです。第一期生の37名の中國人高校生が2006年9月、北京を出発した際には、私も當時北京の日本大使館に勤務していたので、北京市內で行われた歓送會に參加しました。2007年7月、全員、11ヶ月のプログラムを無事終了し、中國に帰國しました。第二期生の37名も、2007年9月に日本での生活を開始し、全員無事11ヶ月のプログラムを終了し、2008年7月、中國に帰國しました。そして第三期生の26名が現在、同様に日本各地で高校生活を送っています。

このブログをご覧になっている日本の方には、ホストファミリーを常時募集しているので、11ヶ月まるまるでなくて數ヶ月でも良いので、中國人高校生の受け入れに関心があれば、國際交流基金日中交流センターにご連絡して頂きたいと思います。

1. 中國人高校生の感想、意見などをまとめて要約しますと、次のとおりです。

(1)日本人との友情

● (皆一様に、)日本の高校生と友達、仲間になれたことがとてもうれしかった。さびしい時、困った時にも、日本人の友達が親切に助けてくれた。學校のクラスメートの他に、近所の友達もできた。クラスメートの印象は、とても友好的で、陽気で活発で柔和でかつ包容力があった。

●  困ったとき、日本の先生は一生懸命話してくれ、一緒に泣いてくれた。日本人の優しさに強く心打たれた。

● 四川大地震の時、みんなが助けてくれた。(學校で)集めた寄付金を赤十字社に渡した。日本人の暖かさに本當に感謝した。(多くの學校でクラスの友達が募金をしてくれたそうです。)

(2)學校生活

●  中國の高校には放課後のクラブ活動がないが、日本の高校にはクラブ活動がある。これが大きな違い。(中國人高校生が美術、伝統蕓能、茶道、華道、バスケットボールなどのクラブに入って楽しかった様子を書いている。)チームの中にいれば、自分の意思も強くなり、限界も超えられる。

●  勉強については中國の高校生の方ががんばっている。しかし課題に取り組む時のチームワーク、家庭科での実技勉強では、日本の學生は本當にすばらしい。文化祭の準備を通じて特にそう痛感した。

●  日本の高校は、授業の雰囲気が自由で、おしゃれも自由、男女交際も自由。

●  日本では子供の生活や將來は子供が自分で選ぶ。勉強だけではなく、部活をやって、楽しく學生時代を過ごす。絶対大學へ行くわけでもなく、子供の特技を伸ばして、自分の理想の人になるように育っている。中國ではみんな勉強して、大學へ行かないと良い仕事が見つからないと考えている。でも勉強だけがその人の特技ではない。(井出注:大學進學率だけで比べると、日本は約5割、中國は約2割です。しかし、この高校生の言いたかったことは、「大學に行け」というプレッシャーが、この高校生の周りでは強いということなのでしょう。)

●  日本の學校と中國の學校は大きく違う。日本の教育理念は総合的な資質養成なので、知識教育と素質教育とを同時に進める。中國ではハイテク人材育成が目的なので、學生は科學文化知識の勉強が大変だ。授業の內容も、日本のほうが中國より少し簡単だ。中國の學生は毎日勉強ばかり。

(井出敬二 前在中國日本大使館広報文化センター所長)

「チャイナネット」2008年12月1日?

 

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