福岡高等裁判所は21日、第2次世界大戦中に強制連行された中國人労働者45人による日本政府と加害企業に対する第2陣の控訴審で所見を示し、「和解による問題解決を積極的に考える」よう被告側に求め、和解を勧告した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
福岡高裁の石井宏治裁判長は勧告の中で、▽強制連行、強制労働は當時の日本政府の國策で、被告である企業は労働者に強制労働を強いることで利益を獲得し、國から補償金を得ていた。▽被害者の精神的、肉體的苦痛は言語に絶するほど大きい上、賠償請求権を失ったことは被害者の意志を反映するものではない――として所見の理由あげた。
最高裁判所は昨年4月、中國労働者による西松組(現在の西松建設)に対する訴訟において、中國政府が1972年の中日共同聲明で賠償請求権を放棄したことにより、被害者個人への賠償請求権も同時に放棄されたことになるとして、原告敗訴の判決を下した。一方で、この判決では「被害者救済への努力を期待する」とされた。
最高裁判所のこの判決以降、賠償請求裁判で和解勧告が提示されたのは今回が初めて。
戦時中に強制連行された中國人労働者45人は03年2月、福岡地方裁判所に損害賠償を求める訴訟を提出、日本政府と三井鉱山、三菱鉱業(現在の三菱マテリアル)に公開謝罪と損害賠償を要求した。福岡地方裁判所は06年3月の一審判決で「訴訟時効」の成立と、「國家無答責(公権力行使について國は責任を問われない)」を理由に原告の訴訟を退けた。原告はこの判決を不服とし、福岡高等裁判所に上訴した。
?人民網日本語版?2008年4月22日 |