朱樺氏(左)とチャイナネットの記者(右)?
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記者:『チベット犬物語』の想定ターゲットは?プロモーションはどのようにやっていたのか?
朱:メインターゲットはファミリー、青少年、あと動物好きだ。そのため、我々は主人公の年齢を変えたり、チベット犬の感情表現を強調したりした。
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記者:先行して中國で上映された『チベット犬物語』中國版の興行成績はあまりよかったとはいえないが、その原因をどう考えるか?
朱:私は映畫の興行成績を左右する要素は複雑だ思う。例えば、今回『チベット犬物語』の上映タイミングは、夏休み前の中國共産黨成立90周年の慶祝を兼ねた超弩級映畫「建黨偉業」の後で、ビジネス映畫の見本と言える「トランスフォーマー3」の前だったので、その影響は大きかった。『チベット犬物語』と同時に、夏休み上映した映畫は、アニメ映畫だけでも5本が連立していた。今の中國には、利益より映畫のテーマ性や蕓術性などを重視する小型映畫館がない。蕓術性を重視した映畫はビジネス映畫と比べ、市場に向いていないのだろう。現在、中國の映畫館では、スクリーン爭奪戦が非常に厳しい狀態だ。
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記者:『チベット犬物語』中國版が上映される少し前、「カンフーパンダ2」が6億人民元の興行成績を挙げた。この成績をどう思うか?
朱:私は、中國の大陸部の観客にとって、日本アニメはまだ『大作効果』が欠けていると思っている。大作効果とは、ハリウッドの大作が備えた視覚的な刺激、強力なプロモーションなどによる話題つくりなどの総合力である。
中國人が日頃一番よく観ているのは日本アニメだが、大體ネットなど安い手段で観賞している。中國人は映畫館で日本アニメ映畫を観るという意識がまだ薄い。そして、映畫用アニメと普通のテレビアニメの違いなど、アニメについて詳しく、良さがわかっている人も多くないのだろう。