日中國交正常化の45周年にあたる今年もあと1カ月で終わろうとしているが、両國関係には喜ぶべき変化が起こりつつある。第一に、両國の指導者がしばらく前、ベトナム?ダナンで會見を実現した。第二に、日本最大規模の経済界の代表団が11月20日から中國を訪問し、李克強総理との接見の機會を得た。
新たな3つの問題
45年前の1972年、日本と中國が國交正常化という外交成果を実現したのは容易なことではなかった。國交正常化実現のさらに45年前、つまり1927年から45年にわたって日中両國は一貫して戦爭?対立の狀態にあった。だが當時の両國指導者は大局を重んじ、大膽さと豊かな見識によって、両國関係の困難を克服し、「平和、協力、友好」という日中関係発展の方向と原則を形成した。當時の指導者は自らが戦爭を経験しており、戦爭がもたらす死と苦痛とを體験していた。このため彼らは、日中両國がこれ以上対立を続けることは許されず、互いの憎悪を解消するために努力しなければならないと考えていた。日本側の指導者は、日本による中國侵略の歴史を深刻に反省し、中國側の指導者も、寛容さをもってこれに応えた。1972年の「日中共同聲明」はまさにこうした精神の反映である。
ここ數年、中日関係は谷間に陥ったように見える。特に次のいくつかの問題が出現している。まず両國の領土紛爭が再び際立つようになり、軍事上の直接的な対立さえ出現している。日本と中國はこれまで、良好な経済関係を土臺として、両國の政治関係を保持してきた。だが軍事?安保問題の出現で、経済的な力ではすでに、両國の政治的な信頼関係をつなぐことができなくなり、これによって逆に経済的な関係も冷え込み始めている。
第二に、中國の経済規模が日本を超えたことが新たな問題を生じさせている。中國が日本を超えて世界第二の経済體となったことは、雙方の國で極めて大きな影響を及ぼしている。両國が微妙な関係にあり、國民感情も敏感であることから、互いを見る際にも間違った態度に陥りがちとなる。日本人の一部は中國の影響力の拡張を過度に恐れ、中國人の一部は日本の重要性を過度に低くみている。そうなれば両國の距離はますます拡大し、「平和、協力、友好」という両國関係の原點も少しずつ忘れられていく。
第三に、両國國民は自國メディアを通じて、相手國に対して、ますますネガティブな印象を強めている。両國民間の好感度は急落し、日中関係の國民的な土臺は日を追って弱まりつつある。
新たな協力が必要に