4.領土?歴史などの敏感な問題が與える影響は依然として大きいが、その程度には低下が見られる。調査データから見ると、領土?歴史などの問題はいまだ中日関係の発展を制約する主な障害となっているが、その程度には低下が見られた。中國の回答者にとって、領土をめぐる対立は相変わらず首位ではあるものの、この4年間この數字は落ち続け、2016年の65.3%から2017年の64.7%、2018年の55.3%、今年の51.2%と連続して低下している。日本の歴史認識と歴史教育問題については、2017年の34.8%から、2018年には25.2%に減少し、今年は24%と小幅減になっている。中國の24.7%の回答者が、中日の民間における相互信頼の欠如が中日関係を阻害する主な問題である考えており、昨年の27.6%よりやや減少している。日本の54.4%の回答者が、領土問題が中日関係に影響を與える最も主な要素となっていると考えており、この數字は同様に下落傾向にある(2018年は61.1%、2017年は66.5%)。中日の回答者は、歴史問題はいまだ中日関係の発展に影響を與える重要な要素だと考えている。
5.両國関係の発展の民意基礎はいまだ堅固とはいえず、絶対多數の回答者が本國のニュースメディアから相手國と両國関係に関する情報を得ている。両國の政治関係が昨年以降持続的に改善しているという大きな背景にしては、両國の回答者の數値改善はそれほどではなく、一部の數値では低下も見られ、両國関係発展の民意基礎は堅固とはいえない。中國の回答者が日本に対して、「良い印象を持っている」(「どちらかといえば良い印象を持っている」を含む)と答えた割合は昨年よりも3.7ポイント増えたに過ぎず、日本側のこのデータはわずか1.9ポイントの増加に過ぎない。現在の中日関係は「良い」(「どちらかといえば良い」を含む)と答えた中國の回答者の割合は昨年よりも4ポイント増えただけで、日本の同項目もまた1.3ポイント増加にとどまった。過去1年間の中日民間交流が「活発だった」(「ある程度活発だった」を含む)と答えた中國の回答者は41.6%だけで、昨年の48.6%に及ばなかった。過去1年間の中日民間交流が「活発だった」(「ある程度活発だった」を含む)と答えた日本の回答者はわずか17.2%で、昨年の24%より低かった。今回の世論調査の結果によると、絶対多數の両國の回答者(中國84.5%、日本94.1%)が本國のニュースメディアから相手國と両國関係の情報を得ていると答え、中日両國のメディアが一般大衆の相手國への國民感情に大きな影響を與えていることを見て取れる。両國関係の改善と両國民衆の相互理解の促進に対する本國メディアの貢獻については、86.6%の中國の回答者が肯定の態度を示したが、日本のこの割合は26.9%であった。
北京-東京フォーラムの重要な一部として、「中日共同世論調査」は2005年に初めて実施されて以來、両國の民意を反映し、相互理解を増進させる重要な手段の一つとなってきた。第15回北京-東京フォーラムの同調査は、今年9月中旬~10月上旬に中日両國で同時に行われた。
北京-東京フォーラムは中國外文局と言論NPOが共同主催するもので、2005年以來すでに15回が開催されており、現在、中日ハイレベルのパブリック交流プラットフォームの一つとなっている。第15回フォーラムは「世界の繁栄とアジアの平和で中日が背負うべき責任」をテーマとし、10月26日に北京で開幕される。中日両國の社會各界から600人近いパネリスト?代表が出席し、政治?外交、経済、安全保障、メディア、特別などの分科會でさまざまな議題について討論し、両國関係の長期にわたる安定した健全な発展を推進するための共通認識を求める。
人民中國インターネット版 2019年10月24日