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「春の日にしづ心なく」散る桜 |
発信時間: 2007-12-25 | チャイナネット |
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ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 紀友則 春になると「清風庵」の庭は桜でいっぱいになる。その度、日本人留學生の芹沢さんと花見に行く。彼女は『出かかった淺緑色の葉とともに白い花をちらほらとつけた桜を見ると何となく心が騒ぐよ』と言った。その時、どうしても芹沢さんの気持ちが分からなかった。そんなにきれいな花を見てどうして心が騒ぐのか。 昨年、芹沢さんは卒業して日本へ帰った。今年、一人で『清風庵』に花見に行った。しかし、忙しかったので「清風庵」に來た時は蕾が膨らみかけた桜でなくちょうどひらひらと散りゆく時期だった。風のいたずらか咲いた花はそのまま地面に落ちていく。雪のような白い花びらが風に乗って空中をひらひらと舞っているのを眺めていると何だかやるせない気分になった。ふと芹沢さんの話を思い出した。「中國ではどうして桜はそれほど人気がないか」という言葉だった。それで、初めて芹沢さんの気持が分かるようになった。 中國人はボタンのように一カ月も長く咲く花が好きである。靜かに咲いてゆっくりと散るのを楽しむ。しかし、日本人は短い花期を終えて、散りゆく桜が好きである。桜が咲くのを人間の生命に喩えて、散ることこそ美徳だとされている。日本人には命は花期のように短いという考え方がある。それゆえ、生きている間に惜し気なく輝かしく過ごすべきだと考えている。咲く時にすべての美しさを放つものだ。まるで人間が自分の生命と向き合う時の姿である。 夜になっても、微かな明りを頼りに続けて桜の花びらが夜空でちらちら舞うのを観賞した。その間になんだかふと日本人の「花見」が分かったような気がする。 (天津商業大學外國語學部日本語科の張峰鮮さんの投稿より) 「チャイナネット」2007年12月25日
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