前回、チョウ?セイさんという東京に住んでいる中國人留學生(24歳)からの「マナーより本音を」と題する新聞への投稿を紹介しました(本年1月26日付の東京新聞の投書欄に掲載)。今回も、チョウ?セイさんの投書文から、中國人留學生が日本で戸惑っていることについての大変興味深い論點を紹介したいと思います。
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今回は、友人と他人との関係について、日中が違う點を紹介します。前回のお禮の話しに続いて、チョウ?セイさんは、東京のマンションの中の人間関係について、以下のように述べています。
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「さらに、日本人は知らない人同士でも、あいさつをするのが普通です。私はマンションの廊下とかエレベーターの中で、知らない日本人から『こんにちは』『こんばんは』などとあいさつをされますが、その人の顔には表情がありません。
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中國では、同じマンションでも、知らない人とはあいさつはしませんが、仲が良い隣の人に會うと、あいさつだけではなく、いろいろな話もします。家族のこととか、子どもの勉強など、話す話題がいっぱいあり、廊下はいつもにぎやかです。あいさつだけということはありません。」
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この文章を読んだ日本人には、チョウ?セイさんが、なぜあいさつをすることを問題視しているのか、分からないだろうと思います。(表情が無いあいさつは確かに良くないとは思いますが。)日本人にとっては、あいさつをするという行為は譽められるべきことです。他方、チョウ?セイさんが戸惑っていることは事実だと思いますし、自分の気持ちを正直に表明しているのだと思います。
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(もちろん、日本でも、田舎であれば、小さな地域社會(村)で、皆が顔を知って、親密な関係を持てると思います。都會の日本のマンションでも、仲良く家族のこととか、子供の勉強などについて話して、近所付き合いしている人は沢山います。しかし、大都會に住んでいる人たちは、自分の生活に忙しく、あまり近所付き合いをしない人も沢山いることも事実です。そもそも、マンションの中であいさつをしない人もたくさんいます。)
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