今の日本経済は実力はあるが、活力がない。多くのアナリストは日本の當面の問題を前世紀80年代に経験したバブル経済と結び付けて見ている。今の中國では、不動産市場のバブルは日本の前車の轍を踏むようなものである。
地価が金のように高い銀座に自分の弁護士事務所をもつ飯沼春樹氏は、その革張りの椅子に座って、あまり熟練してはいない中國語で、中國の記者に日本の不動産市場を分析し、「今はほかでもなく底値で日本の不動産を購入するゴールデン?チャンスだ」という結論を述べた。
でも、日本の狀況を熟知する人は、「底値で不動産を購入する」というような言葉の多くは外國人に語ったものであり、日本人はあまり信じていないと語っている。日本在住中國人の薩蘇氏は、バブル期の住宅の価格にふれると、日本では人々は今になっても「1度ヘビにかまれて、10年もつるべの縄を恐れる」ということわざのような気持ちであり、日本人ホワイトカラーの多くは今でもバブル期に購入した住宅の銀行ローンを返しつづけており、その苦しみは言葉にしにくいものである。
當時、日本の住宅の価格はどれほどまでに高騰したのか?謝國忠氏はその論文の中で、ピーク期において日本の不動産価格は全世界の総額の40%を上回り、日本の皇居の敷地の価値はアメリカのカリフォルニア州全域を上回り、世界のベストテン富豪の中で、日本の不動産業者が7人もいたと述べている。
日本在住の著名なメディア評論家の莫邦富氏が1985年日本に來た時、ちょうど日本の不動産市場が狂亂狀態にある時期であった。1984年の住宅の価格で計算すれば、1989年には7、8倍増となった。莫邦富氏は、「當時の日本の狀況は中國の今の不動産市場の狀況とは確かに非常に似ている」と述べ、あの時、日本にはほとんど住宅の価格が下がり得ると信じる人はいなかったのであり、彼らはいろいろな理由から、たとえば日本は土地面積が小さく、人口が多く、しかもますます多くなる外國人、外國會社が日本に來てビジネスをするなどで、住宅価格は間違いなく高騰すると見ていたと語った。
薩蘇氏は、その時、日本國民の多くは日本円の切り下げは可能で、しかもそれからの給料も上昇することがありうると思ってたため、お金を次から次へと不動産市場に投入したと語った。
こうした心理狀態は當面の中國の民衆のそれとぴったりである。しかし、日本の不動産市場のその後のつるべ落としような暴落が示しているように、これらの當時において疑いをはさむ余地のない理由はいずれも、バブルが放った美しい光に過ぎなかった。(馬挺)
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月23日